塗り替えを決めて、いざ塗料を買おうとすると迷います。近くのホームセンターか、ネット通販か、それとも100均で済ませるか。どこで買っても同じに見えますが、売り場ごとに向いている物と、気をつける点が違います。
結論から言うと、金属や屋外の物を塗るなら、ホームセンターがいちばん迷いません。 買う前に、缶の説明をその場で読めるからです。 ネット通販は色を確かめてから買えば便利で、100均は小さな木工品や工作に向いています。
- ペンキをどこで買えばいいのか分からない
- ネットで買ったら色が違わないか心配
- 100均の塗料で足りるのか知りたい
- ホームセンターの売り場で何を見ればいいのか分からない
- どのくらいの量を買えばいいのか分からない

ペンキって、どこで買うのがいいんでしょう。ネットのほうが楽そうですが。

塗る物で決まります。迷ったら、缶の説明をその場で読める店がいちばん確かですよ。
私は工場で機械部品の塗装をして10年になります。自宅用に塗料や刷毛を買ったことは多くありませんが、買ったのはホームセンターです。 この記事では、ホームセンター、ネット通販、100均のそれぞれで、買う前に何を確かめればよいかをお伝えします。100均の塗料は私は使ったことがないので、メーカーの商品説明をもとに書きます。
ペンキをどこで買うかは、塗る物で決まる

ホームセンターとネット通販では、同じメーカーの同じ塗料が買えます。違うのは、買うときの確かめやすさです。100均は、売っている塗料の容量が小さく、用途も限られています。たとえばダイソーの多用途ペイントは50mlで、用途に金属が入っていません。先に「何を塗るか」を決めてから、売り場を選びます。
| 売り場 | 向いている場面 | 良い点 | 気をつける点 |
|---|---|---|---|
| ホームセンター | 缶の説明を読んで塗料を選びたいとき | 缶の説明をその場で読める | 重い缶を持ち帰る |
| ネット通販 | 買う製品と色が決まっているとき。店にない製品や色が欲しいとき | 種類が多く、家に届く | 色の見え方と、送料や返品の決まり |
| 100均 | 小さな木工品や工作を、少しだけ塗るとき | 少しの量を安く買える | 量が少ない。多用途ペイントは金属が用途に入っていない |
金属や屋外の物は、ホームセンターか通販で買う
門扉やフェンス、雨戸のように、雨や日差しを受ける金属の物は、鉄部用やアルミ用の塗料を選びます。鉄部用やアルミ用の塗料は、ホームセンターかネット通販で探します。 塗料の選び方はサビ止め塗料の選び方とアルミ用塗料の選び方で説明しています。
小さな木工品や工作は、100均でも足りる
ダイソーの多用途ペイントは、屋内外の木工品や工作・ホビー用品などを用途にしています。小物入れや工作のように、塗る面が小さい物なら100均でも足ります。
迷ったら、缶の説明を読める店で買う
塗料は、缶に書かれた「用途」と「塗れないもの」で選びます。缶の説明をその場で読めるのが、店で買ういちばんの良さです。 缶のどこを読むかはアルミ用塗料の選び方|缶の2か所を読むで説明しています。
ホームセンターで買うときに見る所

ホームセンターでは、缶と色と量を、その場で確かめられます。売り場では、次の3つを見ます。
缶の「用途」と「塗れないもの」を読む
同じ売り場に、水性と油性、鉄部用、木部用、多用途と、似た缶が並んでいます。缶に書かれた説明を読み、「用途」に塗りたい物が入っているか、「塗れないもの」に入っていないかを確かめます。 缶によっては、説明書が付いていることもあります。 屋外の鉄なら油性が向いています。理由は水性ペンキと油性ペンキの違いで説明しています。
色は、色見本か調色で選ぶ
色見本は、実際の塗料を塗った小さな見本です。アサヒペンは、製品ごとに「実際の商品を塗布した色見本」を出しています。たとえば水性多用途ペイント マットカラーの28色セットは3,014円です。画面で見る色より、塗ったときの色を確かめやすくなります。
売り場に色見本があれば、明るい所で見比べて選びます。色番号や色の名前を控えておくと、あとで同じ色を買い足せます。ただし、アサヒペンも「塗布する環境によっては色見本と異なる色味になる場合があります」としています。心配なときは、目立たない所に少しだけ塗って確かめてください。
欲しい色が売り場になければ、調色という方法もあります。調色は、塗料を混ぜて好きな色を作ってもらうことです。コメリは、312色の中から好きな色を1缶単位で注文できる調色のサービスを出しています。調色を受けているか、どの色から選べるかは店によって違うので、店で聞いてください。
缶の大きさごとの、塗れる広さと値段を比べる
棚には、同じ塗料が大きさ違いで並んでいます。小さい缶を何本も買うより、塗る広さに合った大きさを1缶選ぶほうが安くなります。 たとえば下の表の塗料で、1/5Lの缶を4本買うと、合わせて0.8Lで7,612円です。0.7Lの缶なら1本で4,444円です。
| 缶の大きさ | 塗れる広さ(1回塗り) | 値段 |
|---|---|---|
| 1/12L | 0.7〜0.9平方メートル | 957円 |
| 1/5L | 1.7〜2.3平方メートル | 1,903円 |
| 0.7L | 6〜8平方メートル | 4,444円 |
| 1.6L | 13〜18平方メートル | 9,350円 |
| 3L | 25〜36平方メートル | 15,961円 |
缶を選ぶときは、塗れる広さの欄を見ます。2回塗るなら塗れる広さは半分になるので、塗る物の広さの2倍を目安に缶を選びます。
表の値段は、メーカーの直営ネットショップの値段です。ほかの通販では、これより安く売られていることがあります。たとえば価格比較サイトの価格.comでは、この塗料の0.7Lの最安値は1,860円でした(2026年9月27日時点)。ホームセンターの値段は店で違うので、棚の値札で確かめてください。大きさごとの比べ方は同じです。
ネット通販で買うときに見る所

ネット通販は、店にない製品や色も選べて、家まで届きます。その代わり、缶の説明を直接読めない分、買う前に確かめることが増えます。
用途は、メーカーの製品ページで確かめる
通販の商品ページには、缶の説明がすべて載っているとは限りません。買いたい製品の名前で、メーカーの公式サイトの製品ページを開き、塗れる物と塗れない物を読んでから注文します。 載っている項目と欄の名前は、メーカーで違います。下の図は、アサヒペンの製品ページで見る所をまとめたものです。実際のページは油性高耐久鉄部用の製品ページで見られます。

| メーカー(製品) | 塗れる物を書いた欄 | 乾燥時間 | 塗れる広さ |
|---|---|---|---|
| アサヒペン(油性高耐久鉄部用) | 「用途」 | 載っている | 載っている |
| カンペハピオ(油性鉄部用S) | 「塗れるもの」と「塗れないもの」 | 載っている | 載っている |
| ニッペホームプロダクツ(油性シリコンタフ) | 「用途」 | 載っている | 見当たらない |
塗れる広さが製品ページに見当たらないときは、缶の写真や、通販の商品ページの説明で確かめます。 それでも分からなければ、メーカーに問い合わせてから注文してください。
色は、色見本で確かめてから買う
ネットで塗料を買うと、届いてから色が違うと感じることが起こりやすくなります。画面で見る色と、実物の色が違うためです。コメリの通販も、色について次のように注意しています。
ご覧いただいているカラーはできるだけ実物の色に近くなるように努めておりますがお使いの環境(モニター、ブラウザ等)の違いにより、色の見え方が実物と若干異なる場合がございます。
コメリドットコム
ネットで買うなら、買う塗料と同じ製品の色見本で色を確かめてから、塗料を注文すると安心です。 アサヒペンは、製品ごとの色見本を有料のセットで売っていて、直営のネットショップからメール便(全国一律350円)で届きます。色見本の代金はかかりますが、色を間違えると、塗り直しの手間までかかります。
送料と返品の決まりを先に読む
通販では、塗料の値段に送料が加わります。送料と、送料が無料になる条件は、店ごとに違います。
| 店 | 基本の送料 | 送料が無料になる条件 |
|---|---|---|
| アサヒペン直営ネットショップ | 830円(北海道、沖縄、離島は1,630円) | 見当たらない |
| ニッペホームプロダクツ公式ストア | 全国一律1,000円 | 5,000円以上 |
| カインズ オンラインショップ | 1,000円(4,999円まで) | 5,000円以上 |
| コメリドットコム | 1,100円(2,000円未満)、1,000円(2,000〜9,999円) | 10,000円以上、または店舗で受け取る(一部の商品を除く) |
塗料1缶だけなら、送料は800円から1,100円ほどかかります。刷毛や道具も一緒に買って無料の条件に届くなら、まとめて注文するほうが送料を抑えられます。 コメリのように、ネットで注文して店で受け取れば送料がかからない店もあります。
返品の決まりも、店ごとに違います。自分の都合で返品できない店もあります。
| 店 | 自分の都合での返品 | 返品できる条件 |
|---|---|---|
| アサヒペン直営ネットショップ | できない | なし |
| ニッペホームプロダクツ公式ストア | できない | なし |
| カインズ オンラインショップ | できる | 届いてから30日以内。使っていない、開けていない物。返送料は自分で払う |
| コメリドットコム | できる | 届いてから7日以内に連絡。使っていない、開けていない物。返送料は自分で払う |
返品できる店でも、使っていない、開けていない物に限ります。缶を開けて塗ってから色が違うと気づいても、表の4つの店はどれも返品を受けていません。 注文する前に、色見本で色を確かめてください。
100均で買うときに見る所

100均の塗料は、少しの量を安く買えます。ただし、量と用途が限られているので、塗る物に合うかを先に確かめます。 ここでは、ダイソーの「水性塗料(多用途ペイント)」の商品説明をもとに見ていきます。
50mlで塗れるのは、約0.5平方メートル
ダイソーの多用途ペイントは50mlで、塗れる広さは約0.5平方メートル(1回塗り)です。2回塗るなら、塗れる広さはその半分になります。 たとえば、ホームセンターの0.7Lの缶1つで1回塗れる広さ(6〜8平方メートル)を塗るには、50mlが12〜16本要ります。
多用途ペイントの用途に、金属は入っていない
ダイソーの多用途ペイントは、用途を「屋内外の木工品、工作・ホビー用品、屋内木部、アクリル板、セラミック、発泡スチロール」としています。金属は、用途に入っていません。
この多用途ペイントは、床、壁、テーブル、いつも水がかかったり湿っていたりする所にも向かないと書かれています。
ダイソーには、鉄製品にも使える「補修用水性塗料」もあります。防サビ剤が入っていて、30mLで塗れる広さは約0.25〜0.3平方メートル(1回塗り)です。小さな傷やサビを直す量なので、門扉や手すりを塗り替えるなら、ホームセンターか通販で鉄部用やアルミ用の塗料を選んでください。
屋外で長く使うなら、トップコートも買う
トップコートは、色を塗った上に重ねて塗る、透明の仕上げ用の塗料です。ダイソーは、塗った面の汚れを防いだり、仕上げたりするために使う塗料だと説明しています。
ダイソーの多用途ペイントは屋内外兼用ですが、屋外で長い時間使う場合は、トップコート(別売り)を使うよう書かれています。屋外に置く小物を塗るなら、トップコートも一緒に買います。 トップコートもダイソーで売られていて、「水性塗料(トップコート)」は1本で約0.18平方メートル(2回塗り)塗れます。塗る広さによっては、2本以上要ります。
どこで買っても確かめる3つのこと

店で買うときも、通販で注文するときも、買う前に確かめることは同じです。量、下塗り、道具の3つです。
塗れる広さから、量を決める
缶や製品ページには、塗れる広さが書かれています。通販でも100均でも、読み方はホームセンターの章の表と同じです。塗る物の広さを先に測り、2回塗りなら2倍の広さで缶を選びます。 手すりのような細いパイプの計算の例はベランダの手すり塗装の記事に載せています。
下塗りが要るかを、上塗りの缶で確かめる
上塗りの缶が、サビ止めや下塗り剤を先に塗るよう求めていることがあります。その場合は、下塗りの缶も一緒に買います。 あとで気づくと、店ならもう一度買いに行くことになり、通販なら送料がもう一度かかります。
刷毛と下地処理の道具も一緒にそろえる
塗料のほかに、刷毛と、洗う・削る・脱脂する・養生する道具が要ります。道具は工程の順にそろえると、店でも通販でも買い忘れが起きません。 何を買うかは塗装の下地処理の7つ道具とむだのない予算に、刷毛の選び方は初心者向け刷毛の選び方と失敗しない5つの基準にまとめています。
ペンキの買い方のよくある質問

買う前に確かめておきたいことをまとめました。
ホームセンターと通販は、どちらが安いですか
塗料の値段は、店によって違います。メーカーの値上げでも変わり、たとえば日本ペイントは、2025年7月に塗料とシンナー類全般の値段を10〜20%上げました(日本ペイントのお知らせ)。通販は送料が加わるので、1缶だけ買うなら、送料まで含めて比べてください。
100均の刷毛は使えますか
100均の刷毛は、私はあまり使ったことがないので、毛の抜けやすさなどは比べられません。ただ、刷毛も値段なりの作りだと考えています。仕上がりや使いやすさを大事にするなら、100均以外の刷毛をおすすめします。 刷毛によっては、使い始めに毛が抜けることがあります。心配なら、使う前に手で軽くしごいて、抜ける毛がないか確かめてください。選び方は刷毛の選び方で説明しています。
ネットで買った塗料の色が違ったら、返品できますか
缶を開けて塗ってから色が違うと気づいたときは、返品は難しいです。この記事で確かめた4つの店は、どれも開けた物の返品を受けていません。開けていない缶なら、カインズとコメリは、返送料を自分で払えば返品できます。注文と違う色が届いたときは、店の間違いなので、届いてすぐに店へ連絡してください。 4つの店の決まりは、送料と返品の決まりの表にまとめています。
水性と油性は、どちらを買えばいいですか
屋外の鉄なら油性、室内の家具なら水性が向いています。においを出せるかどうかも、選ぶときの分かれ道です。 くわしくは水性ペンキと油性ペンキの違いで説明しています。
余ったペンキはどうすればいいですか
ふたをしっかり閉めて保管すれば、次の塗り直しに使えます。捨てるときは、水性と油性で捨て方が違います。流しや排水口には流さないでください。 捨て方はペンキの捨て方|水性と油性の分かれ道にまとめています。
まとめ

ペンキをどこで買うかは、塗る物で決まります。金属や屋外の物は、缶の説明をその場で読めるホームセンターがいちばん迷いません。
ネット通販は、色見本で色を確かめ、送料と返品の決まりを読んでから注文します。100均は、小さな木工品や工作に使います。
- 先に何を塗るかを決めてから、売り場を選ぶ
- 金属や屋外の物は、ホームセンターか通販で鉄部用やアルミ用を買う
- 店では、缶の「用途」と「塗れないもの」を読む
- 通販は、メーカーの製品ページで用途を確かめる
- 通販の色は、色見本で確かめてから買う
- 送料と返品の決まりを、注文の前に読む
- 100均の多用途ペイントは50mlで約0.5平方メートル。金属は用途に入っていない
- 量、下塗り、道具の3つは、どこで買っても確かめる

門扉を塗りたいので、ホームセンターで缶の用途を読んでから買ってみます。

それがいちばん確かです。刷毛と下地処理の道具も、忘れずに一緒に買ってくださいね。
買う物の一覧は塗装の下地処理の7つ道具とむだのない予算を、塗料を選んだあとの塗り方はペンキの塗り方をあわせてご覧ください。

